ITエンジニアの働き方比較|正社員 vs フリーランス vs 派遣

ITエンジニアとしてキャリアを築こうと考えたとき、多くの人が最初に直面するのが「どの働き方を選ぶべきか?」という問題です。

正社員として安定を優先するのか、フリランスとして自由と高収入を目指すのか、あるいは派遣として経験を積みながらキャリアアップしていくのか——それぞれの選択肢にはメリットとデメリットがあります。

本記事では、正社員・フリーランス・派遣という3つの働き方を比較し、年収や安定性、スキルアップの観点から詳しく解説します。

これからエンジニアを目指す方も、すでにキャリアを歩み始めている方も、自分に最適な働き方を見つける参考にしてください。

今回は結構重要な話をします!

目次

ITエンジニアの主な働き方は3種類

ITエンジニアにはさまざまな働き方がありますが、大きく分けると次の3つに分類されます。

  • 正社員
  • フリーランス
  • 派遣

正社員エンジニアの特徴

正社員エンジニアは、企業に雇用されて安定した収入や福利厚生を得ながら働くスタイルです。

  • メリット:社会保険・有給休暇・昇給制度などが整っているため、生活の安定性が高い
  • デメリット:仕事内容や勤務地の自由度は低く、収入の伸びは企業規模や昇進スピードに左右されやすい

特に「安定した環境でじっくりスキルを積みたい人」に向いています。
ただしSESをメインとする会社は要注意です。これは後で解説します。

フリーランスエンジニアの特徴

フリーランスエンジニアは、会社に属さず個人で案件を受注し、自由な働き方ができるスタイルです。

  • メリット:高単価案件を狙える/働く場所や時間の自由度が高い
  • デメリット:収入が不安定になりやすく、社会保障は自分で準備する必要がある

スキルに自信があり、「高収入や自由な働き方を優先したい人」に向いています。

派遣エンジニアの特徴

派遣エンジニアは人材派遣会社に登録し、プロジェクト単位で企業に派遣される働き方です。

  • メリット:未経験から実務経験を積みやすく、職場を選び直す柔軟性がある
  • デメリット:正社員に比べると福利厚生や昇給の機会は限定的

「まずは現場経験を積みたい」「幅広いプロジェクトを体験したい」という未経験者や若手に人気の働き方です。

年収・安定性・自由度の比較

エンジニアの働き方を選ぶうえで、多くの人が気になるのが 「収入」「安定」「自由」 の3要素です。それぞれの働き方を比較してみましょう。

平均年収と将来の伸びしろ

正社員

平均年収は400万〜600万円程度。大手企業やマネジメント職に昇進すれば年収800万以上も可能ですが、給与テーブルに縛られるため短期間での大幅アップは難しい傾向があります。

フリーランス

案件単価は1ヶ月60万〜100万円以上も珍しくなく、正社員よりも高年収を狙いやすいです。ただしスキルや営業力が不足すると案件を獲得できず、収入が不安定になるリスクもあります。

派遣

平均時給は3,000円前後、月収換算で30万〜50万円程度。経験を積むと時給が上がる場合もありますが、上限が見えやすく、正社員やフリーランスほどの大幅な年収アップは期待しにくいです。

雇用の安定性と社会保障

正社員

雇用契約が安定しており、社会保険・厚生年金・退職金制度などの恩恵を受けられます。リスクが少なく生活基盤を安定させやすい点が強みです。

ただしSESをメインとする小規模な会社は退職金制度がなかったり、雇用が安定していない場合が多いです。

SESとはIT業界における契約形態の一種で、社員をクライアント先に常駐させて業務を行わせる会社です。これは派遣会社と変わらないと考えて差し支えありません。

小規模な会社の場合、案件に入れない社員は解雇される場合もあるためSESをメインとする会社の場合は正社員雇用でも生活基盤が安定しない事がある点を忘れないでください。

正社員の肩書欲しさにSESをメインとする会社へ入社する方が多いのですが、わたしはおすすめしません。

フリーランス

契約は案件ごとに更新されるため、収入の継続性は自分次第。社会保障は国民健康保険・国民年金に加入する必要があり、会社員と比べて保障面で不利です。

フリーランス向けエージェントを利用することで収入を安定させるとよいでしょう。

派遣

派遣会社との雇用契約がベースですが、契約期間は3〜6ヶ月更新が一般的。社会保険や有給はあるものの、正社員ほどの安定感はありません。

働き方の自由度とライフスタイル

正社員

勤務時間や勤務地は会社の規定に従うため、自由度は低め。ただしリモートワークが浸透している企業では以前より柔軟になってきています。

フリーランス

自分で案件・働く時間・働く場所を選べるため、自由度は圧倒的に高いです。その反面、休暇を取ると収入も途切れるため「自由と責任」が表裏一体です。

派遣

派遣先によって働き方が変わるため一概には言えませんが、残業が少なく定時退社しやすい職場が多いのはメリット。プライベート重視の働き方をしたい人に合います。

スキルアップのしやすさ

エンジニアとして長期的に成長していくためには、どの働き方を選ぶかで 学べるスキルや成長スピード が大きく変わります。それぞれの働き方におけるスキルアップの特徴を整理してみましょう。

正社員で得られる経験

正社員エンジニアは会社の研修やOJT制度を利用できるため、未経験者でも基礎から学べる環境が整っています。

また、長期的に同じプロジェクトに関わることで 一つのシステムを深く理解できる のも大きなメリットです。

設計などの上流工程やマネジメントの経験ができるため、正社員を経験している方はスキルアップ面で有利と言えます。

ただし、これら大企業やSESをメインとしない一部の中小企業に限る話であって、SESをメインとする会社の場合はこれらは当てはまりません。

フリーランスで得られる経験

フリーランスエンジニアは、案件ごとに必要なスキルを即戦力として求められます。

そのため、最新技術やトレンドをキャッチアップしながら 実践を通じてスキルを磨ける のが特徴です。

ただし「今持っているスキルでできること」しか仕事として受けられないため、意識的に学習時間を確保しないと成長が止まるリスクもあります。

派遣で得られる経験

派遣エンジニアは、短期間でさまざまな企業やプロジェクトに関わるチャンスがあります。

これは 幅広い業務経験を積むうえで大きな強み です。

ただし、プロジェクトの中核部分に携われることは少なく、設計や要件定義といった上流工程のスキルは身につきにくい傾向があります。

個人的にはステップアップ時は派遣で様々な案件を経験する方がよいと思います。

ポイントまとめ
  • 基礎からじっくり学べるのは正社員(ただしSESメインの会社を除く)
  • 実践で鍛えられるのはフリーランス
  • 経験を広げやすいのは派遣

働き方ごとのメリット・デメリットまとめ

ここまで見てきた内容を、分かりやすく一覧表にまとめます。自分の価値観やキャリアプランと照らし合わせながら比較してみましょう。

働き方メリットデメリット
正社員安定した収入と社会保障
社内研修やOJTで基礎から学べる
昇進・昇給の仕組みが整っている
給与テーブルに縛られ収入の伸びが限定的
勤務地や業務内容の自由度が低い
配属先によって成長速度に差がある
正社員(SESメインの会社)社会保障に加入できる

派遣先に同僚がいる場合が多く心強い
キャリアパスを考えてくれる会社もある
派遣先を簡単に変えられない

派遣先が決まらないと解雇される場合がある
フリーランス高単価案件で高収入を狙いやすい
働く時間や場所の自由度が高い
最新技術を案件を通じて実践的に習得できる
案件が途切れると収入が不安定
社会保障や確定申告は自己管理が必要
営業力や自己学習が必須
派遣未経験でも実務経験を積みやすい
職場を柔軟に選び直せる
残業が少なくプライベートを確保しやすい
昇給やキャリアアップの仕組みが限定的
上流工程に関わりにくい
契約更新の不安定さがある
ポイントまとめ
  • 安定重視なら正社員
  • SESは良い会社ならば経験を積める
  • 収入・自由重視ならフリーランス
  • 経験を積みたいなら派遣

どの働き方が向いているか?

正社員・フリーランス・派遣、それぞれに向いている人のタイプがあります。自分の性格やライフスタイル、将来のキャリア像に合わせて選ぶことが大切です。

安定志向の人は「正社員」

こんな人におすすめ

  • 長期的に安定した収入を得たい
  • 社会保険や退職金など福利厚生を重視したい
  • 一つの会社でキャリアを積み上げたい

正社員は昇進や昇給の仕組みが整っており、安定志向の人に最適です。腰を据えて専門性を高めたい人や、家族の生活基盤を安定させたい人に向いています。

「正社員」でないと嫌だという人は「SESがメインの正社員」

こんな人におすすめ

  • 正社員として働きたい

SESをメインとする会社の正社員は、肩書は正社員でも派遣社員とあまり変わりません。そして派遣のように自由に現場を変えることが難しいため、ステップアップが停滞する可能性があります。
その点だけ気を付けてください。

高収入や自由を求める人は「フリーランス」

こんな人におすすめ

  • 高単価案件で収入を伸ばしたい
  • 働く場所や時間を自由に選びたい
  • 自主的に学び続けられるタイプ

フリーランスは自己責任で働く分、収入も大きく伸ばせます。リモート案件や週3稼働など、柔軟な働き方をしたい人に合います。ただし「営業力」や「継続学習」が不可欠です。

未経験から実務経験を積みたい人は「派遣」

こんな人におすすめ

  • まずは現場経験を積みたい
  • 幅広い企業・プロジェクトを体験したい
  • プライベートも大切にしたい

派遣は未経験からIT業界に入りやすく、短期間でさまざまな現場を経験できます。将来的に正社員やフリーランスを目指すための「ステップアップ」として利用するのも有効です。

結論:

  • 安定を取るなら正社員
  • 高収入・自由を取るならフリーランス
  • 経験を広げるなら派遣

未経験からIT転職するならば、まずは派遣で様々な案件を経験することをおすすめします。

派遣で運用や構築などを経験して経歴書に書ける実績を積み上げていけば、正社員として働くこともできますしフリーランスとして収入を上げていくこともできます。

まとめ|自分に合った働き方に一歩踏み出そう

ITエンジニアのキャリアには、正社員・フリーランス・派遣といった複数の選択肢があります。

  • 正社員は安定と福利厚生を得られる一方で、自由度は低め。
  • フリーランスは高収入と自由を実現できる反面、自己管理力が求められる。
  • 派遣は未経験から経験を積みやすいが、長期的なキャリア形成には工夫が必要。

それぞれにメリットとデメリットがあり、どれが正解ということはありません。大切なのは、自分のライフスタイル・価値観・キャリアプランに合った働き方を選ぶことです。

ただし、正社員という肩書欲しさにSESメインの会社の正社員になる場合はステップアップが阻害される可能性があるため注意が必要です。

独り言

なぜ、SESについて何度も書くのかというと、それはわたし自身の経験からです。

わたしはIT転職一社目でSESメインの会社に正社員として雇用されました。そのときはIT業界のことなど何も知らなかったため、もちろんSESについての知識も皆無でした。

最初はネットワークの監視業務から始め、CCNAとCCNPを取得したタイミングで設計・構築の経験ができる案件に移りたかったのですが会社の意向で現場を離れることが許されませんでした。

結局、わたしは退社の道を選び派遣として実績を積み重ねていくことになった、という経験があります。

そのまま同じ現場にい続けたら今のように年収1200万円を超えることはなかったでしょう。

もし「どの働き方が自分に合うのか分からない」と感じたら、まずは複数の転職エージェントに相談してみることをおすすめします。客観的なアドバイスを受けることで、自分では気づかなかった可能性が見えてきます。

一歩踏み出せば、働き方は必ず広がります。あなたにとって最適なキャリアのスタートを切りましょう。

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この記事を書いた人

氷河期世代ど真ん中。
高卒フリーターからブラック企業を経てITエンジニアに転職。
リーマンショックのときは派遣切りにも遭いました!
36歳でフリーランスに転向し、現在は年収1200万円を突破!
年収アップを応援するWEBサイトを運営しています。

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